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【特集】藤代宏一氏【強弱感対立の日経平均、11月相場の風景は】(2) <相場観特集>

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

―新型コロナ、米大統領選、決算発表と不透明材料山積だが―

 週明け26日の東京株式市場は日経平均が前週末終値近辺で方向感なくもみ合った。今週は28日が実質月内最終日にあたり、いよいよ11月相場に突入する。とはいえ米大統領選の投開票を11月3日に控えるほか、国内企業の決算発表も本格化し、この結果を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせている状況だ。欧州などで新型コロナウイルス感染が再拡大傾向を強めており、実勢経済への影響も警戒される局面にある。一方、日米の追加経済対策などへの期待もあり、足もとのマーケットは強弱感が対立している。第一線で活躍する市場関係者2人に今後の相場見通しを聞いた。

●「堅調な米中景気評価、2万4000円超えには追加補正必要」

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

 米国大統領選を直前に控えた金融市場では、大きな波乱となった2016年を教訓に積極的にポジションを傾ける動きは手控えられている。当面のシナリオとしては、民主党候補のバイデン氏が勝利し、議会も民主党が上下両院を制覇する「トリプルブルー」となった場合、ファーストリアクションとしては株高・金利上昇が考えられる。その一方、トランプ氏が勝利し、議会が現在のままだった場合は、株高・金利低下も予想される。ただ、基本的な市場関係者の姿勢は選挙後の状況をみて考えるというところだろう。

 そんななか現在のマーケットを取り巻く状況をみるうえで、足もとの景気情勢を確かめることには意味があると思う。米国と中国の景気は底堅く推移している。米国では追加景気対策の行方が関心を集めているが、製造業と非製造業はともに10月は9月と同等、あるいはそれ以上に回復している。当面は追加経済対策の成立がなくても、顕著に景気が減速する可能性は低いと思う。また、中国景気も堅調だ。生産活動の活発化で銅の輸入量は増加基調を続けているし、日本の工作機械の受注は回復している。日本の輸出も中国や米国の景気の回復が下支えしている面は強いだろう。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均株価の予想レンジは、上値は2万4000円前後とみている。下値は2万2800円前後を想定する。2万4000円ラインを超えて上昇するためには、追加補正予算が市場の予想を上回る規模で成立することなどが求められるだろう。下値を探る局面としては、新型コロナウイルス感染が再拡大した場合などが挙げられる。個別では、資本財セクターの設備投資関連や電子部品などが注目できるとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ふじしろ・こういち)
第一生命経済研究所経済調査部・主任エコノミスト。担当は金融市場全般。2005年4月、第一生命保険入社。08年、みずほ証券出向。10年4月第一生命経済研究所出向、同年7月内閣府経済財政分析担当へ2年間出向。12年7月副主任エコノミストを経て、15年4月より現職。

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